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福井県産品を全国に発信
=小売店160店舗のネット販売支援=
=福井商工会議所商工相談所長 奥山秀範氏=
(役職は当時のもの)
「日本経済新聞」 1999.12.15
パソコンを持たない小売店でもインターネット販売が可能になる「県産品プチモール事業」が一日から福井県で始まった。福井商工会議所が電子商店街を開設し、各店のホームページ作成から料金収納まで代行する全国的にも珍しい試み。同商議所の奥山秀範商工商談所長は「中小小売りとネット市場を結び付けたい」と意気込む。
--------ネット販売に対する小売店の反応は。
「11月7日から募集を始め、10日間で百店舗が参加を表明した。12月には160店に達した。正直言ってびっくりしている。業種も海産物や地酒などに加えて和菓子や繊維製品、家具・インテリアとバラエティーに富んでいる」
--------ニーズは高かった。
「潜在的にネット販売をやりたい人が多かったようだ。興味はあっても、どうしていいかわからない社長が多かったのだろう。小売店がネット販売に乗り出そうとしてもコンピューターに対する相当な知識が必要で、参入障壁があったといえる」
--------どうして商工会議所がネット販売支援に。
「ネット販売市場は95年に7億円といわれていたが、今は2,000億円という。幾何級数的に大きくなっているのに、中小事業者は締め出されていた。ネット市場が主流になったとき、参入が進んでいなかったら地域経済は深刻な状況になると考えた」
「福井県産品を全国に知らせたいという思いもある。山海の珍味とうまい日本酒があっても、地元出身者しか知らない状況をなかなか改善できない。個店レベルで情報発信しても限界がある。160店舗をまとめ、電子商店街の形にした方が消費者はアクセスしやすい。全国規模の雑誌にも広告を出す」
--------課題は実際に売上につながるかどうかだ。
「サイバーモール福井と名付けた別の電子商店街を運営してきたが、正直言って店舗によって売上高に差があるのは事実だ。売れている店舗は、まめにホームページを更新し、季節に合わせて商品を変えるなど工夫している。その店舗でしか買えないものを並べるなど、ネット販売への意欲によって差が出る」
「今度のプチモール事業では、商店主さんには『ネットでしか買えない、あなたの店でしか買えないものを掲載してください』とお願いしている。ネットといっても、どこでも買える商品では見向きもされない。また掲載写真も商品のカタログ写真では目を引かない。コメなら田んぼで生産者自身が働いている風景、甘エビなら漁の風景が一番いい。産地直送の雰囲気を映像で直接伝えられるのが、ネット販売の利点だ。
【総括】 商店主の意欲がカギ
<記者の目>県産品プチモールのホームページを見ると、確かにバラエティーに富んだ商品構成にはなって贈答品を選ぶには都合が良い。商品の検索システムも使いやすく、選びやすい。福井県には県産品を一堂に集めた施設がないので、水産物や野菜、越前そばなど特産品の豊かさを伝える媒体としても評価できる。
しかし奥山所長が指摘しているように、結局は商店主の意欲にかかっている。県内商店のホームペ−ジをみると、1年近く更新がないページもある。すぐに売上増につながらなくても県外客に対する県産品アピールの一環として粘り強く取り組んでほしい。 |