SPEECHネット販売への足がかり提供〜月刊「VENTURE LINK」2000年5月号掲載〜】
本稿は2000年初の実情で書かれています。内容面では古くなっていますのでご注意下さい。
 

ネット販売への足がかり提供
=福井商工会議所 奥山秀範 相談所長談=
(役職は当時のもの)
 



 「パソコンを持たない事業者も、インターネット販売ができる」

 このことを目的に福井商工会議所が開設した電子商店街が『県産品プチモール事業』です。各店のホームページ作成から、料金収納まで代行する点で、全国的にも珍しい試みといわれています。

 プチモールにアクセスした顧客は、ほしいと思った商品の発注をモール宛、つまり商工会議所のサーバーに送信します。これを出店企業にFAXなどで転送。出店者が商品を発送するという形式ですので、出店者はパソコンや情報発信のノウハウが必要無いわけです。
 パソコンを買うだけならだれでもできますが、買ったはいいが何に使ったらよいかわからないというケースは零細企業では意外に多い。しかもそれで情報発信するとなるとまだ敷居は高い。ノウハウや機材がないということ以前に、何ができるのかわからない点が、情報化推進の障壁になっているのです。

 プチモール事業では、県産品を製造あるいは販売する企業に限って1999年12月から出店者を募集したところ、最初の2週間で約100社が応募。3月現在では、すでに190社が出店しています。
 当初は80社くらい集まればよいかな、と思っていた当会議所のもくろみは見事に外れる大反響。しかも出店者の79%は、受注にFAXを利用しています。
 モールへの出品は1社、1品に限定しています。出店者には自信がある商品を売ってほしい。そういう商品が集まっていて、はじめてモールとしての魅力が出てくるのです。

 190社が10品ずつ出したら、1900商品が集まる。見ている分には楽しいかもしれないが、検索するだけでも大変だし、同じようなものがいくつも出てくると何が特徴なのか、わからなくなってしまいます。
 売りたい商品を絞り込んで、出店することで、出店者にとって、自分はこれだ!というのを見直すよい機会になるでしょう。あなたが本当に今売りたいモノ、全国の消費者に訴えたいモノは何なのか。それを集めれば本当によいモールになっていくと思うのです。
 はじめてみて問題と感じるのは、事業者がどうしても、ネット販売を通販カタログのイメージでとらえている点ですね。体裁のきれいなカタログをイメージしている。ですが、顧客が地方発のショッピングモールにそれを求めているかは疑問です。モノを生産している、現在地の空気感が伝わらなければ、なかなか実際の購買にはつながりにくいのではないでしょうか。

 これからは実際にモノを作ったり、収穫している「現場」で、「こんなふうに作っていますよ」という、土や海の香りがする情報を発信していきたい。デフォルメされた広告には、消費者はもう、購買欲をそそられないと思うのです。そしてこの実績が、各企業の情報発信への足がかりになればと思っています。

月刊「VENTURE LINK」(編集部:東京都台東区寿2-1-13)
 

 

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